ヴィンテージマンションのリノベーション5 家具

ヴィンテージマンションのリノベーションのリフォームで使用した素材などについてまとめます。最後は家具編です。(写真はムク材を削りだした手掛けのディテール)

|ウォールナット無垢材(剥ぎ板)

造作家具は、通常は、突き板という薄い木材を表面材にした合板を利用するのですが、今回はウォールナットの無垢材を採用しました。無垢材といてもかなり使用する面材が大きいので、剥ぎ板という幅広の木材の木端と木端を接着して幅を広げた板を利用しています。集成材の幅が広い版だと思えばイメージしやすいかもしれません。

このウォールナットの無垢材を、微妙にグレーに染色しウレタン塗装しています。

無垢材の魅力は、やはりまずは質感です。厚突きの突き板でも出せない高級感が漂います。

そして圧倒的なのが、ディテールの美しさ。手掛けや開口部などのソリッドな雰囲気は、無垢材ならではのものです。

剥ぎ板は集成材と同様に反りにくいですが、使用条件によって反ってしまうリスクが伴いますので、その点理解いただける方だけにお勧めします。

三田綱町パークマンション・リフォーム 家具

(無垢材とコールテン鋼を組み合わせた家具)

|コールテン鋼

無垢材の家具はデザイン的にこってりと重たくなりがちです。そこで今回は天板や側板、手掛けに鉄板を組み合わせて、シャープにデザインしました。使用した材料はフロントというメーカーのSuperCFCという材料で、コールテン鋼をリン酸処理し、手作業で軽く研磨し、クリア塗装を施した材料です。

三田綱町パークマンション・リフォーム 家具

(コールテン鋼のシャープさと無垢の素材感)

|サイルストーン

キッチンの天板はL型で、2つに天板を分けましたが、大きなほうのパーツがEVで搬入可能なぎりぎりの大きさ2400x1200mmとなります。材料はスペインの人造石サイルストーンを採用しました。

水晶から創られる人造石は、堅く清潔でキッチン天板として理想の素材です。最近はアイカやその他の類似商品が多く出回っていますが、サイルストーンやシーザーストーンは質感でやはり一日の長があります。

幅1400x長さ3000までの大判があることも魅力です。

三田綱町パークマンション・リフォーム サイルストーン

(R加工したエッジを組んだ角部のディテール。硬い素材だが手に当たる感覚が柔らかい。)

|レンジフード

素材ではないのですが、レンジフードもこだわりました。

このマンションは天井高さ2400でコンクリート直天井なので、既成のレンジフードでは設置高さが低くなりすぎます。

また壁面は1200x600mmの大判タイルの目地を半端寸法なくきれいに割り付けています。既成のレンジーフードではどうしてもタイル割りと整合を取る事ができません。

そこでタイルと同じ幅1200mmのレンジフードを特注し、高さわずか300mmで横に排気する仕様としました。

三田綱町パークマンション・リフォーム レンジフード

(タイル目地とピッタリあったレンジフード。ダウンライトにより投影される影までタイル目地に合わせています。)

こだわりのポイントはまだまだ尽きないのですが、一旦このシリーズはこれで終了します。

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