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ヴィンテージマンションのリノベーション4 壁・天井・床

ヴィンテージマンションのリノベーションで使用した素材についてまとめます。今回は壁・床・天井編です。(写真は白竜+貝灰漆喰)

|貝灰漆喰

それぞれの個室の天井と壁には漆喰を採用しました。一言に漆喰といっても、実に様々な商品があります。ですが、その殆どは成分を完全に公表はしておらず、作業性を高めるために合成樹脂や接着材が少量混入されています。

なるべく自然素材にこだわりたかったので、完全に成分のわかる製品として当初はホタテ漆喰を検討したのですがコスト的に高く、最終的に採用したのは、有明産の赤貝を焼いてつくった漆喰でした。貝灰漆喰といい、海に囲まれた日本古来の素材です。現在漆喰といえば石灰岩からつくった消石灰(石灰)がほとんどですが、貝灰漆喰は石灰と比べると、防水性に劣るものの、粒子が大きく粘りがありひび割れしにくい、調湿性が高いなど室内使用に向いた特徴があります。

商品は福岡県にある「田島貝灰工業所」という数少ない老舗貝灰専業メーカーのものです。 製法も昔ながらの方法で、この白い貝灰と麻袋からリサイクルしたスサ、日本海側で採れる銀杏草といった完全に自然素材だけでできています。消臭などの作用があり、安心な自然素材で、それでいて材料費は㎡あたり300~400円程度と格安です。古来から寺社仏閣などで使われ続けて来た実績もあります。関東ではエコオーガニックハウス さんが代理店です。

三田綱町パークマンション・リフォーム 貝灰漆喰

(貝灰漆喰。少し柔らかいので練り済みでない石灰も一袋あるとよい。壁には白竜石を混ぜた。)

|エッグウォールライト(クロス)

一部の天井はクロス張りとしました。使用したのは一般的なビニールクロスではなく、エッグウォールライトという、キューピーのマヨネーズ工場から出る卵の殻を粉砕してリサイクルした自然素材の商品です。主成分は漆喰と同様に炭酸カルシウムなので、やはり調湿性があります。

ざらっとした表情は、いわゆるビニルクロスの質感ではなく塗壁に似ています。質感はよいものの、延び縮みが大きく施工性は少し難しいところがあります。ザラザラしているので壁につかうよりも天井のほうが使いやすい材料だと思います。

|オリエンタルカーペット

リビングのウールのカーペットは日本のトップメーカーのオリエンタルカーペットのものです。

このメーカーの特徴は、この程度の小ロットでも、特注でどんな色でも染めてもらえる点です。既製品では微妙な色がないので、このような気の利いたオーダーができるのは、色にこだわる際は重宝します。時間はかかりますので発注には注意が必要です。

日本では床仕上は、フローリングにする場合が多く、正直カーペットは、不衛生なイメージがあり不人気です。
しかし実はフローリングやタイルの床は、歩くたびにホコリが舞い上がり、室内の空気環境を悪化させてしまいます。微粒子は、落ちるまで数時間、室内を漂います。
比べてカーペットはホコリを一時的に吸着し、空間に舞い上がるのを防止します。そのホコリは掃除機で簡単に吸い取ることができます。つまりカーペットには空気を清浄に保つ効果があり、花粉症やアレルギー対策にお薦めです。
冬暖かく、夏涼しく、断熱性があるので省エネ効果も高く、素足に心地よく、床に座る事も多い日本人の生活様式にも適しています。

三田綱町パークマンション・リフォーム オリエンタルカーペット

(微妙に色味にこだわったカーペット。写真ではわかりにくい?)

|イタリアンスタッコ

リビングや廊下の壁はイタリアの伝統的なスタッコを採用しました。商品はフレスコジャパンという会社のERA VENEZIANAという商品です。

写真ではなかなか質感がわからないのですが、艶のムラと色の濃淡が美しく、大理石の粉が入っているので、きめ細かな質感は石のように仕上がります。

こちらも色を特注できるので、微妙な色合いを指定することが可能です。

三田綱町パークマンション・リフォーム イタリアンスタッコ

(施工中の様子。何度も塗り重ねパターンを描いていくため手間がかかります。)

|ガラスブロック

ガラスブロックのゆらぎのある光の透過は魅力的ですが、どうしても正方形グリッドの堅いイメージになりがちです。そこで今回はハーフサイズのガラスブロックをランダムに挿入し柔らかな表情を創りだしました。使用した製品は、イタリア・SEVES社のペガサスシリーズで、販売と施工は日本唯一のガラスブロックメーカーの日本電気ガラスに依頼しました。

三田綱町パークマンション・リフォーム ガラスブロック

(グリットがなくなり柔らかい雰囲気のガラスブロック。玄関から明るい室内が見える。)

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