LUMIX G1

これまで建築写真は1935年に発売されたライカ3aと決めてきた。
 それはライカが建築写真に適したカメラ(「leica IIIa/ライカ 3a」参照)であると同時に、建築写真に適したデジカメが存在しなかったからである。

 しかし、ようやく建築写真向きのデジカメが発売された。
 パナソニックから発売されたLUMIX G1である。
 以前同社のTZシリーズについて記事(LUMIX DMC-TZシリーズ)を書いたが、その中で現在のデジタル一眼レフを、レンズと撮像素子の間にミラーが入るため、レンズ設計の自由度がなく特に広角レンズに向かない、過去の遺産であると評した。そして今後の進化の方向性として、色・歪みの収差や周辺光量の低下を画像処理で補完し、レンズ設計の自由度を高めることでさらに高画質・広角・コンパクトに向かう、と書いた。
 そして、このLUMIX G1の登場である。その特徴を以下にまとめる。
1 ミラーがないため、レンズ設計の自由度が高く、コンパクト、ミラーショックもない
2 各収差を画像処理で補完し、レンズ性能+デジタル処理で総合的に優れた画質が得られる
3 レンズ交換式でありながら、リアルタイム歪曲補正を行い、ライブビュー画面から歪みが無い

 これはまさしく、私が予見した方向性と見事に合致する。実際の画像も良好で、特にLUMIX G VARIO 7-14mmは、35mm換算14mmからという超広角ズームレンズでありながら、歪みは全くなく、解像感も優れる。その上極めてコンパクトでパフォーマンス抜群である。
 ムービー機能が必要であればGH1という選択肢もある。歪みの無い超広角のムービーが撮影できる機材がこのような価格で買えるのは驚きである。