EOS5D mark2

これまでデジタル一眼レフは、建築写真に向かないと思っていたが、このカメラで認識を改めることになった。
 以前紹介した「LUMIX G1」に代表されるマイクロフォーサーズカメラは、ミラーレス構造でまさに広角レンズに適したシステムである。ただしレンズと撮像素子との距離を近づけるメリットは、システムの小型化により最大限活かすことができる。したがってレンズもコンパクトであると同時に撮像素子もコンパクトになる。携帯性と性能のバランスが非常に高い合理的なシステムなのは間違いない。レンズの性能をデジタル補正で補うというコンセプトも素晴らしい。普段使いでは現在最良のシステムだと思う。
 しかし建築写真となると話が少し異なる。
 建築写真で求められるのは携帯性や合理性でなく画質のみである。そして画質は何と言っても撮像素子の大きさに比例する。ある時、マイクロフォーサーズとフルサイズ一眼レフを撮り比べる機会があったのだが、画質の差に衝撃を受けた。階調性も解像感も全く違うのである。画質を求めれば撮像素子の大きなカメラの必要性がよくわかった。撮像素子が大きくなればそれに比例して大きなレンズも必要になる。しかも旧システムの遺物であるミラーまで間に挟まれば、ボディー・レンズ共にさらに巨大になる。一般向けでもなければ合理的でもない。しかし、現実的なフルサイズの選択肢は一眼レフしかない。
 そこで、現状、建築写真でコストも含め最もパフォーマンスの高いシステムとしてEOS5D mark2、SIGMA 12-24mm、DxO Optics Proの3点セットに辿り着いた。今回紹介するのはEOS5D mark2である。
 正直フルサイズであれば、カメラメーカーはどこでも構わなかったが、条件がいつくかあった。

1 建築写真ではシフト補正などの補正をかけると画面のトリミングが必要となる。そのためには解像度が高い程有利である。
2 3脚固定で撮影するためライブビューが使えたほうがよい。
3 低感度しか使わないので高感度のノイズ特性より低感度の解像度、階調などが重要。連写機能も重要でない。
4 できれば動画も撮れたほうがよい。
5 レンズの選択肢、将来性は豊富なほうがよい。

 これらをすべてを満たし、現実的な価格のフルサイズのカメラは現在のところEOS5Dmark2以外にない。
 画質に関しては、現状では最良の選択肢と言っていいと思う。解像度では35mmフイルムを超えた感がある。階調も滑らかである。
Canon デジタル一眼レフカメラ EOS 5D MarkII ボディ