












鱗の家
6層の重なりと開放の交差
|丘の上に建つ、鱗をまとう家
本計画は、代沢の丘の上に建つ木造3階建ての住宅です。
敷地の隅部をR形状とし、緩やかに連続する大壁によって、プライバシー性の高い内部空間と公共性のある外部空間とをやわらかく分節しています。
外壁にはガルバリウム鋼板を斜めに葺き、鱗のような意匠によって特徴的なファサードを構成しました。
|6層構成が生み出す豊かな内部空間
建物内部は6層の床を持つ複雑な断面構成となっており、高密度に空間を活用しながらも、ゆとりと伸びやかさを両立しています。
1階には天井高4.2mの無柱のリビングを設け、庭側の木製サッシはフルオープンが可能で、開放時には内外が一体となる空間を実現しています。
|機能と景色がつながるキッチン
リビングから半階上がるとダイニング・キッチンへとつながり、料理をしながら家族の集う空間全体を見渡すことができる、まさに“特等席”となっています。
|古材と職人技が息づく和室
ダイニング奥には、蔵戸や格子戸に古材を再利用した和室を設けました。
壁面は黒漆喰の磨き仕上げ、床は珊瑚の洗い出し、床の間には金属を用いた特殊左官仕上げを施し、素材の多様性と職人技が融合した空間となっています。
|光と書斎、そして温もり
トップライトのある階段を上がった2階には、個室のほかに家族で使える書斎を設置。トップライトは住宅の中心部に自然光を届け、空間全体の明るさを確保しています。
薪ストーブに加えて、1階と2階の床全体には蓄熱式の床暖房を採用し、天井が高くとも冬も快適に過ごせる温熱環境を実現しています。