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大妻女子大学 加賀寮

学生の成長を育む、新たな学生寮のかたち

|文化財の地に建つ、新たな学生寮

本計画は、旧柳田國男宅地にあった築72年の大妻女子大学加賀寮の建て替えです。
この地は柳田國男にまつわる史跡として、新宿区の指定文化財に指定されています。
歴史と文化を継承するこの場所にふさわしい新たな学生寮をつくるため、設計から建設、運営までを含む総合コンペにて、当チームが選定されました。
室数は個室(1人用)253室、シェアルーム(6人用)17室の計270室で、約350人を収容可能となっています。

|ただ住むのではなく、育つ場として

「ただ住む場所ではなく、学生の成長を促す場」という理念のもと、共用スペースを中心に据えた設計としました。
南北に3分節された寮室ボリュームを、東西に貫く共用ボリュームがつなぎ、そこにオープンキッチンやラウンジを日常動線と一体的に配置。
これらは教育プログラムにも活用可能で、自然な交流を促し、社会で求められるコミュニケーション能力を育む空間となっています。

|中庭を囲み、自然と共に暮らす

各棟の間には、四季を感じられる4つの中庭を配置。
植栽が囲むこの構成により、室内からも自然の移ろいを身近に感じられる豊かな住環境を実現しました。

|街並みに溶け込むファサード

建物は道路から階段状にセットバックさせることで、近隣への圧迫感を軽減。
植栽と素焼きのボーダータイルによって、閑静な街並みに調和する落ち着いた佇まいとしています。

|“家”としての寮を目指して

地方から上京する学生にとって、ただの施設ではなく、温かく迎え入れる“家”のような存在となるよう配慮しました。
エントランスホールには木材をふんだんに使い、柔らかな雰囲気を演出。
各階の共用部には間接照明を設け、外から見えるその光が、帰宅時に安心感を与えるように設計しています。