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Lattice

|DATA

  • 設  計:佐藤宏尚 早川華世 土用下淳也
  • 敷  地:東京都目黒区
  • 用  途:住宅
  • 構  造:木造3階
  • 敷地面積:65.27m2
  • 建築面積:39.04m2
  • 延床面積:109.13m2
  • 竣  工:2009.11
  • 施  工:江中建設
  • 写  真:森澤正光・佐藤宏尚

|CONCEPT

敷地は袋小路に面する建込んだ住宅地にあり、裏側は公園に面する。
平面計画上は、裏面の優れた環境をどのように室内に採り込むことが主題となった。ワンフロアワンルームを基本として、どこにいても公園側の眺めることができる。2階の浴室等間仕切りざるを得ない場合も、ガラスを用いて間仕切ることで、眺望と採光を確保し、空間の広がりを確保している。
断面的には階段室全体にトップライトを設け、吹抜けがわりの空間とした。トップライトから降り注ぐ柔らかな光が室内の奥にまで広がるように留意した。屋根勾配を活かし、最上階は天井高さを3600mm確保し、ロフトを設けた開放的な空間としている。
構造的には、この家の象徴的な存在である「斜め柱」が重要な機能を担っている。階段室側は全面吹抜けとなるため、床が外壁と構造的に接続していない。したがって、階段室に面して耐震要素が必要になる。しかし、耐震壁を設けたのでは、空間の広がりを演出することができない。そこで「斜め柱」を不均等に配置し、鉛直だけでなく耐震壁としても機能させている。この「斜め柱」により、階段室側を全面ガラス張りとなり、居室に広がりを創りだしている。
材料に関しては、天井・壁を白いクロスでコストを抑えつつ、床には熱加工されたアッシュ材のフローリングに蜜蝋ワックスを塗った。窓枠、階段、建具、家具などは安価な構造用合板やラワン合板を採用しながらも、その優れた風合いを活かしている。
ディテールに関しては、ガラス枠や建具枠など、さまざまな要素を削り、シンプルな空間とローコスト化を両立させた。
特に2階にある浴室は、寝室と公園との間に挟まれ、デリケートな部分であった。浴槽と、洗面器、リネン庫、寝室の収納、化粧台等すべてが一体的に連続したオブジェのような家具とし、天板や収納扉等すべてを同じタイルで仕上げ、一体感を高めている。
隣接する框扉は、扉側にストライク、家具側にキャッチを設置し、枠を排した。
扉を開ければ、空間の中にオブジェのような家具だけがあり、2階の空間を一体的に演出し、公園の環境を室内の奥にまで採り込んでいる。