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Lattice

斜め柱がひらく、開放と耐震

|公園の風景を室内へ引き込む

Latticeは、袋小路に面した住宅地に建つ、裏側で公園と接する木造住宅です。
この豊かな裏環境をどう建物内部に取り込むかが、本計画の主題でした。
ワンフロアワンルームを基本とし、どこにいても公園の眺めが得られるように構成されています。

|視線と光がめぐる構成

各階の天井高や階段の吹抜け、全面開放可能な窓、そしてトップライトなどによって、視線と光の抜けが連続する空間としました。
特に最上階は屋根勾配を活かし、天井高3,600mmのロフトを設け、開放感のある空間となっています。

|「斜め柱」による構造と開放の両立

この住宅の象徴である「斜め柱」は、耐震壁の代替として機能する構造要素です。
吹抜けとなる階段室側の外壁には壁を設けず、斜め柱を不均等に配置することで耐震性を確保しつつ、空間の広がりと透明性を両立しました。

|素材と納まりに宿るシンプルさ

内装は白クロスと熱加工されたアッシュ材のフローリングで構成し、蜜蝋ワックスで仕上げました。
建具や家具には構造用合板・ラワン合板を使用し、ローコストながらも自然素材の質感を活かしています。
ディテールも可能な限り削ぎ落とし、すっきりとした印象を実現しました。

|オブジェのような水まわりと空間の連続性

特に2階の浴室は、寝室と公園の間に位置するデリケートな空間。
洗面器や浴槽、リネン庫、化粧台などをすべてひとつの家具のようにまとめ、同じタイルで仕上げることで、一体的な空間として構成しました。
最小限の枠と連続する視線によって、公園の風景が空間の奥まで届く、静謐で開かれた住まいです。