Court

｜旗竿敷地に建つ、廊下も階段もない家

Courtは、旗竿形状の敷地に建つ、5人家族のための住宅です。
建ぺい率40%、周囲を隣家に囲まれた厳しい条件のなかで、最大限の居住空間と良好な住環境を両立するため、徹底して合理的な空間構成を導き出しました。

｜“部屋だけでつくる家”という選択

この住宅には、室内に階段も廊下もありません。
動線や移動に関わる要素をすべて外部に配することで、限られた容積において最大限の居室を確保しつつ、建築面積にも影響を与えない設計としています。

｜外部を介してつながる家族の距離

家族が互いの部屋を行き来するには、一度外に出る必要があります。
しかしそのことで、階段や通路から住まい全体が見渡せ、常に家族の気配が感じられる構成となっています。
コンクリートの壁に囲まれたこの“外部”は、視線と気配が交差する、静かで豊かな共有空間です。

｜個と共有が共存する、現代の家族のかたち

個々が独立した空間を持ちながら、完全には閉じず、ひとつの“場”として緩やかにつながる——
家族の関係性を丁寧に編み込んだこの住宅は、現代における新たな「集合」としての住まいのあり方を提示しています。