佐藤宏尚建築デザイン事務所

三田綱町パークマンション・リノベーション

|DATA

  • 敷  地:東京都港区三田2-3-34
  • 用  途:住居
  • 構  造:リノベーション
  • 敷地面積:8810.23 sqm
  • 改修面積:121.36 sqm
  • 設  備:村瀬 豊(アドバイス)
  • 施  工:本間建設
  • 写  真:佐藤宏尚

|AWARD

  • 第22回 空間デザイン・コンペティション入選

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|CONCEPT

港区のヴィンテージマンション「三田綱町パークマンション」のスケルトン・リノベーション。設計したのは霞ヶ関ビルと同じ鹿島建設の設計チームである。

改修にあたっては、元の最大の特徴である大開口を引き出せるようにした。

まず水廻りのレイアウトを変更し、玄関に入ると正面にガラスブロック越しにリビングの光を感じるようにしている。廊下もガラスブロックによりリビングと柔らかに連続する繋がりのある空間とした。ガラスブロックの積み方も、ハーフサイズをランダムに挿入し、単調で堅くならないように工夫している。
また角の柱や廊下の突き当たりなどアイストップに効果的にミラーを用い、開放感や連続性を高めた。

リビング・廊下の壁面の素材はイタリアンスタッコ、天井および個室の壁は、室内環境に配慮し、有明産の貝灰漆喰を採用した。
家具はウォールナットの無垢を用い、コールテン鋼と組み合わせ質感とシャープさを追求している。

このようなヴィンテージマンションでは、設備システムが古い場合が多い。本マンションも水冷式のチラーを用いた空調システムが義務づけられているが、動力が必要でランニング費用の負担が大きい。本件では、家庭用電力で動作する地中熱ヒートポンプを設置し、地熱に替わってクーリーングタワーの冷却水を熱源とする方式を実験的に採用した。マンションの改修で地熱ヒートポンプを採用するのは、おそらく世界に類のないユニークな事例である。
空調の効果を高めるため居室の断熱性も高めた。硝子は、厚さのほとんど変わらない真空硝子に交換し、開放性は損なわず、環境性能を高めている。

玄関や主寝室のベッドボードは、既存の住戸の玄関に使われていた珍しいイタリア製の木の皮の突き板で、その他、イタリア産大理石など貴重な材料は無駄にせずに有効活用を心がけた。
デザインはもちろん、エネルギーにまで及ぶ提案や古材の再利用は、建築家が手掛けるリノベーションならではだろう。

リビング。角の柱はミラーにより存在感を消している。
バーチカルブランドは天井から吊る。梁型を隠し開放感が増し、天井が高く見える。
夕方、間接照明によりバーチカルブラインドが柔らかく浮かび上がる。
壁面はイタリアンスタッコと大判のタイル、イタリア製のガラスブロック。
落ち着いた雰囲気。本棚の上部はミラー。キッチンからは全体が眺められる。
広々としたL型アイランドキッチン。完璧に揃った目地。レンジフードの影までタイル目地とピッタリ揃う。
玄関は既存の収納扉をリサイクル。素材は珍しい木の皮の突き板。ガラスブロック越しにLDKの様子がわかる。
廊下の突き当たりにあるトイレ扉はミラー貼。ガラスブロックが連続して映り込む。
洗面と浴室。家具はウォールナットのムク材。浴室はハーフユニットバス+樹脂セメントコテ仕上。