佐藤宏尚建築デザイン事務所

MINOX B/ミノックスB


2009.12.08

mionoxB.jpg これほど緻密で美しいカメラはないと思う。 昔のスパイ映画などに登場する超小型カメラである。仕上の美しさや緻密さはローライやライカを上回る。
MINOXは1938年バルト三国の一つラトビアで誕生し、戦後は生産が西ドイツに移された。MINOX Bは西ドイツ製で1958年に発売された。超小型カメラでありながらシャッターはスローから1/1000秒を有し、目測ながらヘリコイドによって0.2メートルから無限遠まで距離調節が可能である。ファインダーにはブライト・フレームが採用されパララックスは自動的に補正される。レンズに絞りはなく常に開放(F3.5)で使うためNDフィルターが内蔵されている。
セレン式の露出計が内蔵され、追針式でASA感度は25~400まで設定できる。NDフィルターを使用するときは自動的に露出計の感度が切り替えられるので撮影の際に面倒な倍率を考える必要はない。
フィルムの給送とシャッターチャージははケースを出し入れする一連の動作で同時に行われる。ケースを押し込むとフィルムが一枚送られ、引き出すとシャッターがチャージされる。ケースを押し込んだ状態では、レンズもファインダーも隠れ、シャッターもロックされ誤使用がない。
さらに、これだけ小さいとレンズの湾曲による収差が大きいが、この収差を補正するために、フィルムの圧板を湾曲させ画質を向上している。
この小さなボディにこれだけの精緻なメカニズムは驚くばかりである。
設計思想も極めて独創的だ。ミノックスは絞り、距離系を内蔵しない。しかし、レンズの焦点距離が極端に短いため、被写界深度が極めて深い。4Mにセットすれば2M~無限遠までピントが合い、目測撮影でも十分である。超小型化のために距離計・絞りを省略したデメリットは、小型化による被写界深度の深さで解消されている。また開放絞りで撮影できるということは、高速シャッターが使用出来るため、手持撮影に有利である。このようにカメラの設計思想も非常に独特でありながら明解で合理的である。
写りも大変よい。粒子が荒れるのはフイルムが小さいため仕方ないが、レンズは超高解像度で非常にシャープな優秀なレンズである。
他に類を見ない独創的メカニズムと設計思想にもかかわらず、これだけの完成された世界を持つ。これほど優れたデザインのカメラはミノックスの登場以来現在に至るまで他にないと思う。
このカメラで東京を写すと、フイルムの粒子が荒れ、どこかノスタルジックに写るのが気に入っている。

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