佐藤宏尚建築デザイン事務所

leica IIIa/ライカ 3a


2005.12.04

leica.jpg 今回紹介するのは、このサイトの写真の多くを撮影した、ライカ3a。このカメラ、建築写真を撮るのに非常に優れた実用カメラです。

 ライカ3aの生産が開始されたは1935年、今から70年前。現在の35mmフイルム(別名ライカ判)がこれほど普及するきっかけになったのは1925年にライカ 1が発売されたことがきっかけで、いわば35mmカメラの原点に極めて近い由緒正しいカメラである。
 もちろんフイルムの装着・巻き戻し、シャッター速度、すべて機械式で手で操作しなくてはならない。しかしそれぞれの動作は軽く小気味よい使い心地である。ダイキャストでなく、職人技で丁寧に板金されたボディーの質感は現在のカメラにはない気品が漂う。70年たっても快適に使える造りのよさを電子機器に頼る現在で実現することは恐らく不可能なのではないだろうか。
 このカメラの最大の特徴はレンジファインダーと言って、一眼レフがファインダーでレンズを通した実像で画像を確認できるのに対し、距離計付のファインダーのみを通してフレームを確認することである。このこと自体はデメリットでしかなく、一眼レフの登場によりレンジファインダーが廃れていった理由でもあろう。しかし、一眼レフと異なりフイルムとレンズの間にミラーが不要な構造は、実は大きなメリットを創りだす。
 まずわかりやすいのはボディーサイズ。ミラーがないから非常にコンパクトである。現在市販されているコンパクトカメラと比較しても十分コンパクトなサイズである。また無粋な「バシャ」というシャッター音はしない。静かな心地よい感覚はライカ独特のものである。当然ミラーショックもなくテブレもしにくい。
 だが最も大きなメリットは、ミラーがないためにフイルムとレンズをぎりぎりまで近づけることが可能なことである。これはレンズ設計の自由度が非常に高いことを意味する。そしてこの特徴を最も活かせるのが超広角系のレンズである。広角になればなる程、フイルムとレンズとの距離が近い方が有利になる。この特徴を生かせるのはライカやコンタックスやGR21のようなレンジファインダーやコンパクトカメラになる。その中でレンズの選択肢が多く安価な選択もできるのはライカである。左の写真はUltraWideHeliar12mmという超広角レンズを装着した状態である。実にコンパクトで、湾曲もほとんどなく写りも素晴らしい。一眼レフで超広角系のレンズを創るためには、複雑な光学系を実現するために高価かつ巨大になり、それでも湾曲をおさえにくい。つまり一眼レフは構造的に広角に向かないカメラでなのである。
 また、建築写真にはオートフォーカスも不要である。私のよく使用する広角レンズは15mmが多いが、絞り開放でも90cmから無限遠まですべてピントがあってしまう。つまりピントを気にする必要がない。内蔵ファインダーは50mm専用なので、ファインダーはレンズとセットの外付ファインダーを利用する。このファインダー像と実像との違いが大きいのは唯一の欠点である。
 ライカと言えば、写りに味かある、レンズに個性がある,という趣味性の高いファンの多いカメラである。だが、私がライカにこだわるのは、懐古趣味ではない。シャープで歪みのない写り、広角でもコンパクトな携帯性、コスト、必要な機能を追求した末の結論である。

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